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NO.109
#家づくりの基礎知識
家づくりの基礎知識 お風呂の種類と特徴
9月も中旬を過ぎ、朝晩には少しずつ秋らしい空気を感じるようになってきました。
日中はまだ暑さが残る日もありますが、
夕方になると涼しい風が吹き、夏の終わりと秋の始まりを感じる季節ですね。
9月は「長月(ながつき)」とも呼ばれます。
「長月」という名前の由来には諸説ありますが、
秋が深まるにつれて夜が長くなっていくことから「夜長月」と呼ばれ、
それが「長月」になったという説がよく知られています。
暑さの厳しかった夏から、少しずつ過ごしやすい季節へ。
夏の間はシャワーで済ませていた方も、
これからは湯船にゆっくり浸かる機会が増えてくるのではないでしょうか。
お風呂は、単に体を洗うための場所ではありません。
一日の疲れをリセットしたり、家族との会話を楽しんだり、
好きな音楽を聴いたり、本を読んだり。
一日の終わりにほっと一息つける、住まいの中でも大切な場所のひとつです。
だからこそ、家づくりで浴室を考えるときには、
「どんな見た目にするか」だけではなく、
「どんな入り方をしたいか」「誰がどのように使うのか」まで考えておくことが大切です。
最近のお風呂は、昔ながらの浴室から大きく進化しています。
そこで今回は、家づくりの基礎知識として、「お風呂の種類と特徴」についてご紹介します。
毎日使う場所だからこそ、ぜひご家族でイメージしながらご覧ください。
家づくりで間取りを考えるとき、リビングやキッチン、収納などはじっくり検討する一方で、お風呂は「一般的なものでいいかな」と考えてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、お風呂にもいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。
また、浴槽の形、浴室の広さ、床や壁の素材、窓の有無、ドアの種類などによって、使い勝手やお手入れのしやすさも変わってきます。
「毎日使うものだからこそ、使いやすいものを選ぶ」。この視点で考えてみると、お風呂選びも家づくりの大切なポイントだと分かります。
住宅のお風呂は、大きく分けると「ユニットバス」と「在来工法の浴室」があります。
現在の新築住宅で多く採用されているのが「ユニットバス」です。
ユニットバスは、浴槽、床、壁、天井などを工場であらかじめ成形し、現場で組み立てて設置するタイプの浴室です。
一方、在来工法の浴室は、現場で防水工事を行い、床や壁などを仕上げていく浴室です。
それぞれに特徴があるため、まずは違いを知っておきましょう。
ユニットバスの大きな特徴は、浴室全体がひとつのシステムとして設計されていることです。
浴槽だけでなく、床、壁、天井、ドアなどがセットになっており、メーカー各社からさまざまな商品が用意されています。
まず挙げられるのが、施工性の高さです。
工場で部材を製造して現場で組み立てるため、現場で一から浴室を仕上げていく方法と比べて、品質を安定させやすいという特徴があります。
また、防水性にも配慮された構造になっているため、水を多く使う浴室には適した方法といえます。
さらに、掃除のしやすさを考えた商品が多いことも魅力です。
汚れがつきにくい床や、排水口の掃除がしやすい形状、浴槽を洗いやすくしたタイプなど、毎日のお手入れを楽にするためのさまざまな工夫があります。
浴室暖房乾燥機や手すり、収納棚、節水タイプのシャワーなど、必要な機能を選びやすいのもポイントです。
一方で、ユニットバスは基本的に決められたサイズや仕様の中から選ぶことになります。
そのため、「浴室の形を完全にオリジナルにしたい」「特殊な形状の浴室にしたい」という場合には、自由度に限りがあります。
また、メーカーや商品によって選べる浴槽、壁、床、設備などが異なるため、カタログだけで決めず、ショールームなどで実物を確認することが大切です。
在来工法の浴室は、現場で床や壁などを仕上げていくタイプです。
タイルや石材など、好みの素材を使ってデザイン性の高い浴室をつくることができます。
浴室の形状やサイズについても、ユニットバスに比べると自由度が高いのが特徴です。
「旅館のような雰囲気にしたい」「タイルを使った浴室にしたい」「庭を眺めながら入浴したい」といった、こだわりのある浴室を考えている場合には、在来工法が選択肢になることがあります。
ただし、現場で仕上げる部分が多いため、施工方法や防水処理などについて十分に確認する必要があります。
また、素材によっては目地などの掃除に手間がかかる場合もあります。
デザインだけで決めるのではなく、完成後のお手入れまで考えて選ぶことが大切です。
「ユニットバス」と似た言葉に「システムバス」があります。
メーカーによって呼び方が異なる場合がありますが、一般的には、浴槽や床、壁、天井などを組み合わせ、さらにさまざまな設備や機能を選べる浴室商品を「システムバス」と呼ぶことがあります。
つまり、現在の住宅でよく採用されている浴室は、単に「浴槽とシャワーがある場所」ではなく、使い勝手や清掃性、快適性などを考えて、さまざまな仕様を組み合わせられるようになっています。
お風呂選びでは、浴室全体だけでなく「浴槽の形」も重要です。
浴槽は毎日体を預ける場所なので、見た目だけでなく、入り心地や掃除のしやすさも確認しましょう。
比較的シンプルな形状の浴槽です。
すっきりしたデザインで、浴槽内を広く使いやすいタイプが多くあります。
シンプルだからこそ、掃除もしやすく、飽きにくいというメリットがあります。
浴槽の中に段差が設けられたタイプです。
半身浴をしたいときに使いやすいほか、小さなお子様がいるご家庭では腰掛ける場所として活用できる場合があります。
一方で、足を伸ばしてゆったり入りたい方にとっては、段差がないタイプのほうが好みに合うこともあります。
家族それぞれの入浴スタイルを考えて選びましょう。
一般的な浴槽よりも幅を広くしたタイプです。
家族で入浴することが多いご家庭や、ゆったりとした入浴時間を楽しみたい方に向いています。
ただし、浴槽だけでなく浴室全体のスペースも必要になるため、間取りとのバランスが重要です。
浴室のサイズを選ぶときには、「広ければ広いほど良い」と考えがちです。
もちろん、広い浴室にはゆったり使えるというメリットがあります。
しかし、広くするとその分だけ住宅の中で浴室に必要なスペースも増えます。
そのため、家全体の間取りや収納とのバランスも考える必要があります。
例えば、次のような考え方があります。
- 浴室を少しコンパクトにして、その分、洗面脱衣室を広くする
- 浴室のサイズを確保しつつ、収納スペースを別に設ける
家族の暮らし方によって正解は変わります。
浴室単体ではなく、洗面所、脱衣所、ランドリースペース、収納などを含めて考えることがポイントです。
お風呂は毎日使う場所だからこそ、掃除のしやすさは非常に重要です。
浴槽に入っているときには気づきにくいのですが、浴室には水アカ、石けんカス、皮脂汚れなど、さまざまな汚れが発生します。
そのため、デザインだけでなく、次のようなポイントを確認しておくと安心です。
- 床は掃除しやすいか
- 排水口は手入れしやすいか
- 浴槽のフチは拭きやすいか
- カウンターの裏側は掃除しやすいか
- 棚を取り外して掃除できるか
- 鏡の水アカ対策はどうなっているか
特におすすめしたいのが、ショールームで実際に触ってみることです。
浴槽のフチに手をかけてみる。床に立ってみる。収納棚を動かしてみる。ドアを開け閉めしてみる。
こうした実体験は、カタログを見るだけでは分かりにくいものです。
以前の住宅では、お風呂に窓があることが一般的でした。
窓があると、昼間に自然光を取り入れられたり、外の空気を取り入れたりできるメリットがあります。
一方で、窓があることで断熱性能に影響したり、掃除する場所が増えたりすることもあります。
また、窓の位置によっては外からの視線も考えなければなりません。
「お風呂には必ず窓が必要」というわけではありません。
浴室の換気方法や住宅全体の断熱性能、周辺環境などを考えながら判断することが大切です。
浴室暖房乾燥機も、最近の浴室で検討されることの多い設備です。
暖房機能があれば、冬場の入浴前に浴室を暖めておくことができます。
また、乾燥機能を使えば、雨の日などに衣類を乾かす場所として活用できる場合があります。
「洗濯物をどこで干すのか」という家全体の家事動線と一緒に考えると、より便利に使えるでしょう。
ただし、浴室乾燥だけに頼るのではなく、日常の換気やお手入れなども含めて考えることが大切です。
家づくりでは、「今使いやすいか」だけでなく、「将来も使いやすいか」という視点も大切です。
例えば、小さなお子様がいるご家庭では、浴槽の出入りがしやすいか、床が滑りにくいか、手が届きやすい場所に収納があるかなども確認しておきたいポイントです。
将来的には、手すりの設置を検討することもあるでしょう。
最初からすべてを備える必要はありませんが、将来手すりを取り付けることを想定して下地などを準備しておく方法もあります。
家は何十年と暮らす場所です。
今の家族構成だけでなく、将来の暮らしまでイメージしておくと、後悔の少ない選択につながります。
お風呂にはさまざまな便利機能があります。
自動洗浄、肩や腰への吐水、浴室テレビ、ミスト機能、浴室暖房乾燥機など、メーカーによってさまざまな商品が用意されています。
便利そうな機能を見つけると、つい全部付けたくなってしまいます。
しかし、大切なのは「わが家に本当に必要か」という視点です。
例えば、浴室乾燥を毎日のように使うご家庭と、洗濯物は基本的に屋外や別のランドリースペースに干すご家庭では、必要性が違います。
家族全員が使うのか、主に誰が使うのか。毎日使うのか、たまに使うのか。掃除やメンテナンスにどの程度手間をかけられるのか。
こうしたことを考えながら、必要な機能を選んでいきましょう。
最後に、浴室を選ぶときのチェックポイントをまとめます。
- 浴室の広さは家族に合っているか
- 浴槽はゆったり入れるか
- 浴槽内の段差は必要か
- 床や排水口は掃除しやすいか
- 収納は十分か
- 窓は必要か
- 換気や乾燥の方法はどうするか
- 浴室暖房乾燥機は必要か
- 小さなお子様が安全に使えるか
- 将来の使い方も考えられているか
- 家全体の予算とのバランスは取れているか
このような項目を家族で話し合っておくと、ショールームへ行ったときにも確認したいポイントが明確になります。
お風呂は、住宅設備の中でも特に「実際に使ってみないと分からない」もののひとつです。
写真で見ると素敵な浴槽でも、実際に入ってみると「思ったより足を伸ばせない」と感じるかもしれません。
逆に、写真では普通に見えた浴槽が、実際に入ってみると体にフィットして快適に感じることもあります。
浴室の床に立ったときの感触や、浴槽のまたぎやすさ、シャワーの高さ、カウンターの位置なども、実際に触ってみることで分かります。
家づくりでは、見た目や価格だけで判断するのではなく、「そこで暮らしたときにどう感じるか」を想像することが大切です。
お風呂は、毎日使う場所だからこそ、少しの違いが長い年月の快適さにつながります。
「家に帰って、お風呂に入るのが楽しみ」。そんな浴室をつくることができれば、日々の暮らしはもっと豊かになるのではないでしょうか。
これから家づくりをされる方は、ぜひ浴室についてもご家族で話し合ってみてください。
例えば、次のような具体的なテーマから話し合ってみるのもおすすめです。
- お風呂は広いほうがいい?
- 浴槽は足を伸ばせるタイプがいい?
- 掃除のしやすさを優先したい?
- 浴室乾燥機は必要?
- 窓は付ける?
このように具体的に話してみると、ご家族が大切にしたいことが見えてきます。
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