• 外観デザインの種類

    NO.041

    外観デザインの種類

    外観デザインの種類

    一戸建てにおいて、訪れる人の印象を大きく左右する要素のひとつが、外観デザインです。

    住宅の印象は、デザインスタイルや外壁の素材、カラーなど、外観デザインによって大きく変わります。

    住まいを象徴する住宅の外観デザインは、住まう人のライフスタイルに合わせたいものです。

    さまざまな外観の住宅がありますが、今はどのようなデザインが人気なのかをお伝えいたします。

外観デザインは、周囲の街並みと溶け込むような調和のとれたデザインにすることが望ましいです。

たとえば、和風のデザインの住宅が立ち並ぶ中に、ビビットカラーの奇抜な家が建つと違和感を持たれやすいものです。

また、住居系の用途地域では、北側斜線などの高さ制限によって、隣戸の日照を守るための建物の高さの制限があり、建物や屋根の形状に影響を及ぼすことがあります。

住宅の外観デザインは、近隣の住宅のデザインや法規制にも配慮する必要があるのです。

最近の一戸建ての外観で人気があるのは、デザイナーズ住宅といわれる住まいに多いシンプルモダンというデザインです。

陸屋根のボックス型の住宅や片流れ屋根など直線的なラインで構成され、モノトーンを基調としています。

金属やガラスといった無機質な素材や木質系の素材が組み合わされることもあります。

一方、日本の一戸建てで従来から多くみられるのは、和様折衷のデザインで流行にとらわれないオーソドックスなスタイルのコンテンポラリーです。

外壁はタイル柄やレンガ柄の外壁材、あるいはモルタル外壁などで、ベージュやブラウン、グレーといった街並みに調和しやすいカラーを基調としています。

また、日本古来の和風建築の住まいのデザインに、モダンな要素を取り入れた和モダンのデザインは幅広い年齢層に好まれています。

屋根は寄棟屋根や切妻屋根などで瓦やスレートが用いられ、外壁にはクリーム色やベージュ、ライトグレーなどが使われ、木の質感を取り入れることが多いです。

ヨーロッパのデザインを取り入れた住宅デザインには、南欧北欧ブリティッシュなどがあります。

南欧は南フランスなど地中海沿岸の住宅をお手本とするスタイルです。

屋根はオレンジや赤や茶色素焼きの瓦で、切妻屋根の下の妻飾りがあるのが特徴で、外壁にはホワイトやオフホワイト、淡いイエローなどが用いられます。

北欧はスウェーデンやデンマークなどの住宅デザインで、急勾配の大きな切妻屋根が特徴で、窓を大きくとり、木をふんだんに使っています。

ブリティッシュは、イギリスの伝統的な住宅で、重厚感があり格調の高さが感じられるデザインです。

急勾配の屋根に、外壁はモルタル外壁などとレンガ調の外壁材を組みあわせ、ハーフティンバーといわれるつけ柱が飾られています。

また、ナチュラルモダンといわれるスタイルは幅広く、シンプルモダンで木を多用しているものから、北欧モダンまでをもナチュラルモダンと呼ぶことがあります。

外観デザインの種類

一戸建てのデザインにおいては、階数による向き不向きもあります。

2階建ての場合、敷地条件にもよりますが、ほとんどの住宅デザインに対応することができます。

3階建ての場合、敷地にゆとりがあり、ある程度大きな住宅を建てるのであれば、南欧北欧ブリティッシュ

といった欧風スタイルの住宅も映えるでしょう。

しかし、狭小住宅の場合は、装飾が多いデザインよりも、シンプルモダンのスタイルの方がすっきりとした印象でおしゃれに見えます。

また、平屋は陸屋根か緩やかな片流れ屋根で、シンプルモダンや和モダンの外観デザインにするとスタイリッシュな印象になります。

タイル張りにみえる外観の一戸建てが多いですが、最近は施工性やコストの面から、タイル調の窯業系サイディングを使用している住宅が増えています。

窯業系サイディングのデザインは、レンガ調や石貼り調など多彩です。

ガルバリウム鋼板などの金属製サイディングはスタイリッシュな印象になり、木製サイディングはナチュラルなイメージの住まいに使われます。

モルタル外壁は仕上げ方法によって風合いに違いがあり、表面に細かい凹凸のあるリシン吹付や吹付タイルが用いられるのが主流でした。

最近では、モルタル外壁では左官仕上げが人気であり、和モダンの住宅では漆喰が使われることもあります。

また、タイルとモルタル外壁など、異なる素材を組み合わせたり、1階と2階で色を変えたりすると、メリハリのある外観デザインになります。

住宅を建てたり購入したりする際、住まいのイメージに大きく影響する外観のデザインは重視したいポイントです。

しかし、デザインだけにこだわってしまうと、住み心地の悪い住まいになってしまうケースがあります。

たとえば、ファザードに大きな開口部をとった住まいはスタイリッシュな印象です。

しかし、壁やサッシ、窓ガラスなどの断熱を考慮しなければ、夏は室温が上がってエアコンが効きにくく、冬は冷気で冷え込む、暮らしにくい住まいになってしまいます。

また、道路との関係によっては室内が丸見えになってしまうため、ルーバーをつけるなど外部からの視線を遮ることも必要です。

ライフスタイルによっては、大きな開口部のあるリビングを設けるよりも、個室を増やす方が住みやすいケースも考えられます。

外観デザインと内装に一貫性がないと、ちぐはぐな印象になりがちです。

外観デザインは大切にしつつ、内装や間取りのことも実際の生活を想像しながら考えていくと、バランスよく仕上がることでしょう