• 新築住宅で考える地震対策のポイント

    NO.079

    新築住宅で考える地震対策のポイント

    新築住宅で考える地震対策のポイント

    暮らしの安全を守るために欠かせない“地震対策”。
    日本は地震大国といわれ、日常生活の中でも大小さまざまな地震が発生します。近年は、地震によって室内の家具が転倒したり、住宅の構造自体が大きな被害を受けたりするケースも増えており、住まいづくりの段階でしっかりと対策をしておくことが非常に重要です。
    新築住宅では、耐震性を備えるだけでなく、間取り・仕様・設備の工夫によって、日々の暮らしの安心度を高めることができます。今回は、新築時に必ず検討したい地震対策のポイントをお伝えします。

まず基本となるのが、住宅の構造そのものの耐震性能です。
建築基準法では最低限の耐震性が定められていますが、さらに上位にあたる「耐震等級2」「耐震等級3」を採用することで、より強い揺れに耐えられる住まいになります。
特に耐震等級3は、消防署や警察署といった防災拠点と同等レベルで、家族の命を守るうえで非常に有効です。
地震の揺れ方は建物の形状にも影響されるため、凹凸の大きい間取りや吹き抜けを採用する際は、専門家と相談しながら適切な補強を行いましょう。

地震で最も多いケガの原因は、家具の転倒・落下といわれています。
新築時には、家具を置く位置や造作収納の配置を計画することで、安全で使いやすい空間に整えることができます。
ポイントは以下の通りです。
• 大型家具は造り付け(固定式)にする
• 寝室・子ども部屋には背の高い家具を置かない
• キッチン収納は耐震ラッチ付きにする
• 廊下や出入り口付近に物が落ちないレイアウトにする
特に寝ている時間帯の地震は危険が増すため、寝室の安全性を重視することが大切です。

地震時には屋内外の避難経路が確保されているかが重要になります。
ブロック塀の倒壊事故は後を絶ちません。新築時に塀を設ける場合は、強度の高いフェンスや控え壁があるタイプを検討し、安全性を第一に考えましょう。
また、災害時に玄関が塞がる可能性を想定し、勝手口や掃き出し窓など、複数の避難経路を計画しておくことも大切です。

大きな地震の後は停電や断水が長期間続くこともあります。
新築時には、次のような設備を組み込むことで、生活の継続性が高まります。
• 太陽光発電+蓄電池
• 手動で使えるガスコンロやカセットコンロの置き場所
• 断水時でも利用できる非常用トイレの備蓄
• 停電に強いLED照明や自立型ソーラー照明
ライフラインが途絶えた際の“もしも”を想定して設備を選ぶことで、暮らしの安心度が大きく向上します。

住まいの地震対策は、建物の性能だけでなく、家族自身の備えも重要です。
自治体のハザードマップを確認したり、非常持ち出し袋を準備したり、家族間で避難場所を共有するなど、日頃から防災意識を高めておくことが被害の軽減につながります。
また、地震対策の最新情報は、住宅会社の相談会・モデルハウス・ショールームなどで入手できます。新築計画の初期段階から積極的に情報収集を行い、自分たちに最適な安全な住まいを目指しましょう。

新築住宅で考える地震対策のポイント