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NO.038
#家づくりの基礎知識
家づくりの基礎知識 クロスの種類・素材、機能性
クロス(壁紙)は布や紙、ビニールなどの
素材でできており、
壁の保護やお部屋の装飾を
目的として貼られています。
最近では、消臭や防カビ効果がある
高機能なクロスが販売されており、
デザインも豊富です。
また、クロスを変えるだけで
部屋の雰囲気が一新されるので、
新築時だけでなく
リフォーム時に張替えを検討している方も多いです。
今回はクロスの素材から、高機能なクロスまで
詳しくご紹介させていただきます。
「クロス」とは家やオフィスのお部屋に張る壁紙のことです。
クロスの素材は大きく
4つに分類することができます。
先ずは一番多用されており、
耐久性に優れたビニールクロスのご紹介です。
クロスの中でも多用されているのがビニールクロスです。
他の素材に比べ安価で、品質も安定しており、
耐久性も高くお掃除がしやすいクロスで、
色やデザインが豊富です。
ビニールクロスは、
塩化ビニール樹脂などを主な素材とする
ビニールシートに紙などを裏打ちしたものです。
表面加工の方法によっても分類することができ、
たとえば、表面に凸凹のあるエンボス加工や発泡させたもの、
プリントを施したものなど
多種多様です。
クロスにさまざまな機能を持たせている商品も
多くみられます。
織物クロスは、レーヨン、絹、麻などで作られるクロスです。
平織りや綾織、不織布などがあります。
ビニールクロスと比べて高級感、重厚感があります。
ホコリを吸着しやすいので、
定期的に掃除やメンテナンスが必要です。
ホテルや美術館などパブリックスペースで
使われることもあります
和紙、ケナフなど非木材紙を
原料としたものなどもあります。
紙は音を吸収し、空気を通す素材であり、
また環境や健康への配慮がなされている素材として
注目されています。
ほとんどが輸入壁紙ですが
手すき和紙の紙クロスもあります。
自然素材の住宅などでも使われています。
紙と珪藻土を混ぜてつくられる「珪藻土壁紙」
金属やガラス繊維が原料の「無機質壁紙」
ポリエチレン・ポリプロピレンなどの
合成樹脂を主原料とした「オレフィン」
薄くカットした天然木やコルクなどを
紙と張り合わせた「木質系壁紙」、
メタリックなクロスなどがあります。

部屋の壁に貼り付けるクロスには、
様々な機能がついています。
どのような機能のクロスがあるのか知らなければ、
何を選べばよいかがわからないと思います。
多様な種類のクロスを知って、
自分の部屋にぴったりなクロスを選びましょう。
臭効果のあるクロスは
タバコや気になる生活臭を
表面に加工されている消臭剤が、臭気ガスと反応し、
吸着させて消臭効果が得られるという
仕組みになっています。
もちろん、キッチンや洗面所、トイレ空間にも
オススメです。
消臭・抗菌効果がありますので
家の匂いが気になる場所なら幅広くご利用いただけます。
使用環境にもよりますが、
効果が持続するのは10年程度と言われています。
●オススメの部屋タイプ:全てのお部屋にオススメ
湿気の多い部屋の場合、
クロスにカビが生えてしまうことがあります。
カビは見た目もよくないですが、
衛生面においても人体に悪影響を与えるので注意が必要です。
そのため、部屋の湿度が高いようであれば、
防カビ処理されたクロスを利用するのがいいでしょう。
防カビに関しては後でコーティングを施すこともできますので、
そちらも是非ご検討ください。
⚫︎オススメの部屋タイプ: ダイニング、キッチン、洗面所、 脱衣所、トイレなど
衛生的に過ごしたい場合にかかせないのがこの抗菌機能です。
防汚機能と一緒に対応していることが多く、
表面に抗菌剤が使用されていますのであらゆる菌の増殖を抑制します。
特に小さなお子さまや高齢者といった
免疫力が強くない方いらっしゃるご家庭にオススメです。
その他にも衛生的に保ちたいという
トイレや洗面所、キッチンなどにもオススメです。
⚫︎オススメの部屋タイプ: キッチン、トイレ、子供部屋
一般的なクロスよりも強度が高く、
比較的破れにくくキズがつきにくいのが特徴です。
人通りが多い廊下や玄関、階段、リビング
といった傷みやすい場所には最適の機能といえます。
⚫︎オススメの部屋タイプ: リビング、玄関、廊下、傷つきやすい場所など
クロスを選ぶ際には、
耐久性も重要な要素の1つとなります。
特に引っかきキズなどがつきやすい
「小さなお子様がいるご家庭やペットを飼われているご家庭」、
人の出入りが多い「飲食店や商業施設」などは、
クロスが剥がれてしまいやすい場所でもあるため、
耐久性の高いクロスを選ぶ必要があります。
クロスの表面に耐久性のある特殊フィルムが
表面に貼り付けてあるタイプを選べば、
キズがつきにくくキレイな壁に保つことができます。
⚫︎オススメの部屋タイプ: リビング、子供部屋、店舗フロアなど
日本には梅雨があるため、
年中を通して比較的湿度が高いという傾向があります。
湿気が強くなるとカビが生えたり、
不快指数が上がって過ごしにくくなったりと、
生活においてはマイナス面が強く現れます。
そのため、日本の住宅では湿気への対策が盛んに行われており、
そのうちの一つとして
吸放湿効果のあるクロスが選ばれています。
湿気が高いときには水分を吸収し、
逆に乾燥しているときには水分を放出してくれるので、
常に快適な湿度を保つことができます。
⚫︎オススメの部屋タイプ:全てのお部屋にオススメ
表面に特殊なフィルムをラミネート加工したクロスです。
そのため、一般的なクロスでは
落ちにくい汚れに対して
水拭きや中性洗剤を使って落とすことができます。
汚れが付着しやすい場所や
小さなお子様がいらっしゃり
落書きに困っていると言ったご家庭でも、
簡単に汚れを拭き取ることができますので
お手入れも簡単です。
⚫︎オススメの部屋タイプ:全てのお部屋にオススメ
壁や天井に貼られているクロスからマイナスイオンが発生していると、
常に部屋の空気をフレッシュに保つことができます。
マイナスイオンには森林浴と同様のリラックス効果があり、
マイナスイオンを発生させるクロスを選べば、
プライベート空間の癒やし効果をさらに高めることができるのです。
実際に、クロスからマイナスイオンが
発生する製品が販売されています。
このような製品は、
クロスの生地に天然鉱石が配合されており、
水分と反応することでマイナスイオンを発生させます。
⚫︎オススメの部屋タイプ: リビング、ダイニング、寝室など
お子さまのお部屋や暗がりの廊下などに人気の蓄光クロスです。
夜になると真っ暗なお部屋で眠れない
廊下を歩くときが暗すぎて困っている
といった時に光がほのかに光りますので
選ばれる方も多いです。
また、昼間は普通のクロスと変わりありませんので
その点も選ばれている理由です。
通常照明や太陽の光を蓄え、
消灯後約20分間柔らかい光を放ちます。
⚫︎オススメの部屋タイプ: 子供部屋、廊下、寝室など
不燃性のあるクロスがこれにあたります。
不燃性と一言にいっても、
不燃、準不燃、難燃の3種類に分かれています。
これらは下地と防火性能の組み合わせによって
同じパターンのものを防火種別として分類しており、
不燃は20分、準不燃は10分、難燃は5分加熱されても
燃焼せず、人体に有害な煙を出しません。
よく燃えない壁紙として勘違いされる方もいらっしゃいますが、
これらは「燃えにくい壁紙」で、
機能としては燃焼を少しでも遅らせ、
燃焼拡大の防止、煙・有害ガスなどの発生を抑制することが目的です。
高層階ビルやマンション、集合住宅などでは
これらが必須の場合もありますので、
確認の上お選びください。
●オススメの部屋タイプ:高層マンション、キッチンなど
ここまで紹介してきたように、
機能性に注目してクロスを選ぶことで、
清潔で衛生的、耐久性のある部屋を実現することができます。
リフォーム時には、デザインやカラーなどの
見た目の部分でクロスを選んでしまいこともあると思います。
また、なるべく値段を安く抑えるために、
機能性の劣った物を選んでしまうこともあるでしょう。
しかし、見た目や値段でクロスを選ぶと、
すぐに汚れがついたり、キズがついたりと、
不具合が発生してしまう恐れがあります。
もちろん、色柄や値段も
クロスを選ぶ上でとても大切な要素ですが、
それと同時に機能にも注目してクロスを選ぶようにしましょう。
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